監査報告書(不適法意見)

監査報告書

平成11年6月2日


東邦生命保険相互会社
代表取締役 さこ川利内 殿













1.監査の概要

当監査法人は、保険業法第59条第1項において準用する「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」前2条の規定に基づき、東邦生命保険相互会社の平成10年4月1日から平成11年3月31日までの平成10川年度の貸借対照表、損益計算書、事業報告書のうち会計に関する部分及び剰余金処分案並びに附属明細書のうち会計に関する部分について監査を行った。なお・事業報告書及び附属明細書に記載されている事項のうち会計に関する部分は、会社及び子会社の会計帳簿の記録に基づいて記載されている事項である。

この監査に当たり当監査法人は、一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠し、通常実施すべき監査手続を実施した。

2.監査の結果

監査の結果、当監査法人の意見は次のとおりである。

(1) 貸借対照表及び損益計算書の下記事項については、法令及び定款に違反し会社の財産及び損益の状況を正しく示していない。

  1. 貸付金の回収可能性を検討した結果、今後債権放棄することが決定している貸付金、担保不足の貸付金等に対し96,286百万円の貸倒引当金の追加設定が必要と認められた。
  2. 有価証券の時価を検討した結果、決算日現在時価が著しく下落しかつ回復可能性が認められない有価証券に対し強制低価法の適用による100,103百万円の評価損の計上が必要と認められた。
  3. 外貨建資産の為替差損の状況を検討した結果、取得日の為替相場で換算している外貨建資産のうち重要な為替差損が生じている外国債権及び外貨貸付金に対し、決算日の為替相場との差額20,128百万円の為替差損の計上が必要と認められた。
  4. 貸借対照表の繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、将来の収益力に基づく課税所得が十分でないため、繰延税金資産9,057百万円は計上すべきではないと認められた。

(2)事業報告書のうち会社に関する部分は、上記により会社の状況を正しく示していない。

(3)剰余金処分案は、上記により法令及び定款に適合していない。

(4)附属明細書のうち会稽に関する部分については、上記により保険業法第59条第1項において準用する商法の規定により記載すべき事項を正しく示していない。

3.後発事象に関する事項

決算日現在締結している株価指数オプション等に係るデリバティブ取引のうち、監査報告書提出日までに終了した取引により5,812百万円の損失が生じている。

4.利害関係

会社と当監査法人又は関与社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以上

編注:社長名中「さこ」は「土」へんに「谷」


監査報告書

当監査役会は、平成10年4月1日から平成11年3月31日までの平成10年度における取締役の職務の執行に関して、各監査役から監査の方法およぴ結果の報告を受け、協議の上、本監査報告書を作成し、以下のとおり報告いたします。

1.監査投の監査の方法の概要

各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、業務の分担等に従い、取締役会その他重要な会議に出席するほか、取締役等から事業の報告を聴取し、重要な決裁書類等を閲覧し、本社において業務およぴ財産の状況を調査し、必要に応じて子会社から営業の報告を求めました。また、会計監査人から監査に関する報告およぴ説明を受け、計算書類およぴ附属明細書につき検討を加えるとともに、特に、当期は、取締役と会計監査人の協議内容についても調査いたしました。

取緒役の競業取引、取締役と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与およぴ子会社または社員との通例的でない取引に関しては、上記の監査の方法のほか、必要に応じて取締役等から報告を求め、当該取引の状況を詳細に調査いたしました。

2.監査の結果
  1. 会計監査人監査法人トーマツの監査の方法およぴ結果は、相当であると認めます。
  2. 事業報告書(会計に関する部分を含む)は、会計監査人の監査報告書に記載のとおり、会社の状況を正しく示してしない。事業報告書(会計に関する部分を含む)は、会計監査人の監査報告書に記載のとおり、会社の状況を正しく示してしない。
  3. 剰余金処分に関する議案は、会社の財産の状況その他の事情に照らし、法令およぴ定款に適合していない。
  4. 附属明細書(会計に関する部分を含む)は、会計監査人の監査報告書に記載のとおり、保険業法第59条第1項において準用する商法の規定により記載すべき事項を正しく示していない。
  5. 取締役の職務の執行に関しては、当期の決算に関する計算書類およぴ附属明細書について、会計監査人より、法令およぴ定款に違反していること、あるいは法令およぴ定款に適合していないとの指摘を受けております。

なお、取締役の競業取引、取締投と会社間の利益相反取引、会社が行った無償の利益供与およぴ子会社または社員との通例的でない取引については取締役の義務違反は認められません。

3.後発事象

当社は、平成11年6月5日、金融監督庁長官より、保険業法第241条の規定に基づき、保険管理人による業務およぴ財産の管理を命ずる処分を受け、同日、保険業法第242条第2項の規定に基づき、保険管理人選任の通知を受けております。

以上

平成11年6月7日

東邦生命保険相互会社 監査役会
















(注)監査役熊田淳一郎および監査役岡崎一郎は、保険業法第59条第1項において準用する「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」第18条第1項に定める社外監査役であります。


Search