添付書類(1)
平成10年4月1日から 平成10年度(平成11年3月31日まで)事業報告書
1.事業の経過及び成果
(日本経済と業界の動向)
平成10年度の日本経済は、金融システム不安を背景とした信用の収縮や雇用・所得の先行きに対する不安を背景とした消費の低迷によって国内需要が落ち込み、企業の生産調整や投備投資・雇用を抑制するリストラの強化により、実体経済が大きく低迷しました。
生命保険業界におきましても、未曾有の超低金利の長期化による逆ざやの問題が経営を圧迫し、個人消費の低迷による新契約高の伸び悩みや家計リストラによる既契約の見直しによって保有契約高が波少する等、厳しい経営環境が続きました。
(事業の経過)
平成10年度は、当社にとりまして、ジー・イー・キャピタル・サービス社との提携後、現契約の管理業務と資産運用業務に専念する新たな体制の下でのスタートの年であり、提携時の計画が順調に遂行できるよう体制基盤の整備に努めるとともに、事業の一層の効率化と健全化に努めてまいりました。
資産運用分野においては、安定的な運用収益の確保を図るとともに、リスク管理債権については売却等により残高を大幅に圧縮し、資産内容の健全化に努めました。
人事・総務分野においては、効率的な業務運営体制を確立し事業費の削減に努めました。しかしながら、平成10年度決算において、会計監査人から有価証券の含み損償却およぴ貸付金の償却・引当等に関して多額の追加処理を求められた結果、事業継続が困難と判断し、平成11年6月4日(金)、保険業法241条に定める業務停止命令の発動を金融監督庁に上申いたしました。
(事業の成果)
以上の結果、会計監査人の指摘等を踏まえた平成10年度の業績概要は次のとおりとなっております。
期末保有契約高におきましては、新契約業務を行わなくなったことから、個人保険は死亡保障額と生存保障額を合せて15兆7,912億円(対前年度沈19.1%減)、個人年金保険は年金原資額(年金支払開始後の契約については責任準備金)で、1兆8,916億円(同8.7%減)、団体保険は死亡保障額と生存保障額(年金支払開始後の契約については責任準備金)を合せて2兆5,013億円(同77.6%減)、団体年金保険は責任準備金で2,462億円(同35.2%減)となりました。
収支状況につきましては、経常収益面では保険料等収入は前年度比1,622億円減少し3,589億円(対前年度比31.1%減)、資産運用収益は一段の金利低下の影響により、前年度比1,100億円減少し1,078億円(同50.5%減)、責任準備金の買入れの減少により、その他経常収益は1兆3,117億円減少し2,947億円(同81.7%減)となり、経常収益は7,615億円(同67.5%減)となりました。
一方、経常費用面では保険金等支払金は解約返戻金などの大幅な減少により、前年度比1兆4,872億円減少し6,726億円(対前年度比68.9%減)、事業費についてもジー・イー・エジソン生命への管理業務委託により契約保全コストを引下げたことと自助努力による経費削減に努めた結果、前年度比473億円減少し404億円(同54.0%滅)、資産運用費用については有価証券の含み損償却およぴ貸付金の償却・引当等に関して追加処理を行ったことから前年度比1,675億円増加し2,533億円(同195.3%増)となり、経常費用は9,722億円(同58.5%減)となりました。
この結果、経常損失は2,107億円となり、当期未処理損失は2,112億円となりました。
また、資産については、当期中に4,305億円減少し、期末総資産は2兆5,708億円となりました。
2.事業成績及び財産の状況の推移
区分 | 平成7年度 | 平成8年度 | 平成9年度 | 平成10年度(当期) | |
年度末契約高 | 億円 | 億円 | 億円 | 億円 | |
個人保険 | 236,930 | 233,863 | 195,129 | 157,912 | |
個人年金保険 | 28,276 | 27,873 | 20,724 | 18,916 | |
団体保険 | 141,755 | 137,572 | 111,678 | 25,013 | |
団体年金保険 | 16,528 | 12,015 | 3,796 | 2,462 | |
その他の保険 | 262 | 265 | 233 | 6,243 | |
百万円 | 百万円 | 百万円 | 百万円 | ||
保険料等収入 | 747,370 | 599,536 | 521,133 | 358,915 | |
資産運用収益 | 269,891 | 244,908 | 217,941 | 107,896 | |
保険金等支払金 | 958,342 | 1,100,983 | 2,159,931 | 672,646 | |
経常利益/△損失 | 8,518 | 6,758 | 121 | △210,733 | |
当期剰余/△損失 | 16,677 | 12,314 | 10,912 | △211,253 | |
社員配当準備金繰入額 | 15,678 | 12,277 | 9,745 | - | |
総資産 | 4,994,121 | 4,509,524 | 3,001,432 | 2,570,883 |
備考:
個人年金保険と財形年金保険の契約高は、年金開始前は年金原資、年金開始後は責任準備金を表します。
団体保険の契約高は、団体定期保険年金払特約(年金開始前は年金原資、年金開始後は責任準備金)を含みます。
団体年金保険、財形保険およぴ財形年金積立保険の契約高は、責任準備金を表します。医療保障保険の契約高は、入院給付金日額を表します。
3.支社等及び代理店の状況
区分 | 前期末 | 当期末 | 当期増減(△) |
支社 | 0 | 0 | 0 |
営業所 | 0 | 0 | 0 |
海外駐在事務所 | 1 | 1 | 0 |
募集代理店 | 791 | 77 | △714 |
4.従業員等の状況
区分 | 前期末 | 当期末 | 当期増減 (△) |
当期末現在 | ||
平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均給与月額 | ||||
内勤職員 | 名 2,177 |
名 1,855 |
名 △322 |
歳 38 |
年 16 |
千円 420 |
(男性) | 1,463 | 1,238 | △225 | 40 | 17 | 512 |
(女性) | 714 | 617 | △97 | 35 | 14 | 236 |
注1.内務職員には、ジー・イー・エジソン生命保険株式会社への出向者1,680名を含みます。
注2.内務職員には、医師・用務員・運転手・技手を含みます。
注3.前期末、当期末ともに営業職員の在籍はありません。
注4.平均給与月額は、平成11年3月の税込定例給与で、賞与・居残料等は含みません。
5.基金の状況
基金拠出 | 10,000,000千円 |
基金拠出者 | 6名 |
6.基金拠出者
基金拠出者名 | 当社への基金拠出状況 | 当社の基金拠出者への出資状況 | ||
基金拠出額 | 基金拠出割合 | 持株数 | 持株比率 | |
新日本ファイナンス株式会社 | 千円 3,000,000 |
% 30.0 |
千株 - |
% - |
株式会社日本長期信用銀行 | 2,000,000 | 20.0 | - | - |
株式会社日本債券信用銀行 | 2,000,000 | 20.0 | 34,403 | 1.38 |
山一土地建物株式会社 | 1,500,000 | 15.0 | - | - |
科研製薬株式会社 | 1,000,000 | 10.0 | 8,829 | 9.62 |
鹿島建設株式会社 | 500,000 | 5.0 | 6,030 | 0.63 |
注:株式会社日本債権信用銀行の乙種優先株(第3回優先株)は含んでおりません。
7.取締役及び監査役
(平成11年3月31日現在)
役職名 | 氏名 | 担当又は主な職業 |
代表取締役社長 | さこ川 利内 | |
取締役副社長 | 斎藤 邦彦 | 社長室・総務部・財務企画部・有価証券部 |
取締役 | 大久保 寿磨 | 融資部・不動産部・渉外 |
取締役 | 今川 浩 | 契約管理部・契約管理部長 |
取締役 | 宇野 史郎 | 主計部・リスク管理部・主計部長 |
監査役 | 宗守 賢尚 | |
監査役 | 倉光 保夫 | |
監査役 | 熊田 淳一郎 | (非常勤・社外監査役) |
監査役 | 岡崎 一郎 | (非常勤・社外監査役) |
(取締役) | 相川 潔 | 平成10年7月2日退任 |
(取締役) | 地引 輝夫 | 平成10年7月2日退任 |
(取締役) | 安部 一雄 | 平成10年7月2日退任 |
8.子会社等の状況
(平成11年3月31日現在)
会社名 | 所在地 | 主要な事業内容 | 設立年月日 | 資本金 | 当社の出資割合 | その他 |
株式会社東邦システムサイエンス | 文京区本駒込2-28-10 | コンピューターによる計算・情報検索・ソフトウェアの開発及び情報処理機械化のコンサルティング業務 | 昭46.6.1 | 百万円 60 |
% 8.33 |
|
なし | ||||||
東邦ビル管理株式会社 | 渋谷区渋谷2-15-1 | ビルの受託管理、テナントの斡旋、駐車場の管理業務 | 昭50.3.5 | 10 | 100 | 同上 |
東邦事務サービス株式会社 | 渋谷区渋谷2-15-1 | 印刷の業務、文書類の受発信業務 | 昭57.4.1 | 20 | 100 | 同上 |
株式会社東邦映像センター | 渋谷区渋谷2-15-1 | ビデオ・映画・スライドの企画、制作、販売業務 | 昭57.7.1 | 20 | 100 | 同上 |
東邦信用保証株式会社 | 渋谷区渋谷2-15-1 | 東邦生命の個人金融に係る信用保証・信用調査、担保権の設定・管理及び担保物権の調査・鑑定業務 | 昭59.3.12 | 30 | 10 | 同上 |
東邦リース株式会社 | 渋谷区渋谷2-15-1 | リース・金銭貸付及び債券買取業務 | 昭59.6.1 | 90 | 10 | 同上 |
文京グリーンコートビル株式会社 | 文京区本駒込2-28-8 | 文京グリーンコートビルの維持管理運営及び関連施設の利用運営に関する業務 | 平9.7.1 | 20 | 10 | 同上 |
Toho Life Luxembourg S.A. | 287-289,route d’ Arlon L-1150 Luxembourg,LUXEMBOURG | 外国有価証券を中心とした投資及びその他これに付随する業務 | 昭60.4.1 | 12000万us$ | 99.99 | 同上 |
Toho America International Inc. | 1180 Avenue of the Americas Suite#2010 New York,N.Y.10036 U.S.A | 国際的資産運用に係わる投資顧問業務 | 昭62.1.13 | 1195万us$ | 100 | 同上 |
- 上記子会社等13社の売上高は13,244百万円、税引後当期利益は、9,858百万円であります。
- 上記海外現地法人5社については、平成10年12月31日の確定決算の数値によっております。
- ( )内は、資本準備金を含んだ金額であります。
- 株式会社東邦生命保険代理社は平成10年9月30日付で、株式会社東邦生命リサーチ社は平成11年3月31日付で、Toho Life International(U.K.)Ltd.およぴToho Life Properties(U.K.)Ltd.は平成11年3月31日付で各々精算しました。
- ジー・イ一・キャピタルとの提携について ジ一・イー・キャピタル・サービス社の100%子会社であるジー・イー・ファイナンシャル・アシュアランス・ホールディングス社との共同出資により、「ジー・イー・キャピタル・エジソン生命保険株式会社(現ジー・イー・エジソン生命保険株式会社)」(資本金36,509百万円)を設立し、平成10年4月1日より営業を開始しました。
この提携に伴い、当社はジー・イー・ファイナンシャル・アシュアランス・ジャパン社に71,538百万円、ジー・イー・キャピタル・エジソン生命保険株式会社(現ジー・イー・エジソン生命保険株式会社)に449百万円を出資しました。
なお、当社のジー・イー・エジソン生命保険株式会社に対する議決権割合は、7.29%であります。
9.その他会社の状況に関する重要な事項
- 平成10年5月1日、創業100周年を迎えました。
- 平成10年6月12日、平成10年度第1回評議員会を開催しました。
- 平成10年7月2日開催の第51回定時総代会において、取締役1名の補充選任及び監査役2名の選任がなされ、宇野史郎が取締役に、倉光保夫、岡崎一郎が監査役に就任し、所管法務局にその登記を完了しました。
- 平成10年7月3日の日本経済新聞に平成9年度の決算公告を実施しました。
- 平成10年12月3日、平成10年度第2回評識員会を開催しました。
- 平成11年3月4日、平成10年度第3回評議員会を開催しました。
- 平成11年3月26日、本社ビルを証券化しました。
- 平成11年3月30日、劣後ローンを調達しました。
- 平成11年3月31日、ハノーヴァ再保険会社との間で財務再保険契約を締結しました。
- 平成10年度中、全国45ケ所でご契約者懇談会を開催しました。
- 平成10年度末の総代数は94名、社員数は1,574,193名です。
編注:社長名中「さこ」は「土」へんに「谷」
- by 保険屋.com
- at 2000年02月17日